アーユルヴェーダとは？

アーユルヴェーダとは、サンスクリット語で「命」を表す「アーユス」と、「科学」を表す「ヴェーダ」を組み合わせた言葉。いわゆる「生命科学」と呼ばれるものです。アーユルヴェーダはインド・スリランカ発祥の、五千年以上もの歴史を持った伝統医療として知られてきました。

アーユルヴェーダでは「ドーシャ」と呼ばれる3つの要素「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」が、人の体の健康を支配し、体質を左右していると考えられています。

アーユルヴェーダの概念として有名な「トリ・ドーシャ理論」というのは、三つの生命原理ヴァータ・ピッタ・カパが生命現象と病気を支配するという考え方です。トリが「3」、ドーシャが「濁り」を意味しており、ドーシャとされる体の中の濁りのバランスを整えることで、体内が浄化され、健康や美容に繋がると考えられているのです。

例えば濁りとなる悪い食べ物を控えたり、マッサージやヨガで毒素の排出を促したり…といった行動が、アーユルヴェーダのねらいです。

ドーシャを構成する3要素は、人の体質によってそれぞれ以下のように異なります。

ヴァータというのは風・空のエネルギーを意味する言葉。風のように「変わりやすい」ことが特徴的で、日本人のドーシャはヴァータタイプに分類されることが多いようです。

胃腸の調子が気分によって変わりやすく、便秘しやすかったり手足が冷えやすかったりというのが特徴。精神的には熱しやすく冷めやすい性格や、ストレスに対して過剰に反応したり、自分を責めたりしやすい傾向が見られます。

ピッタは火・水を意味する言葉。ピッタタイプドーシャを持つ人は、火のような熱い特徴を持つと考えられています。体形は中肉中背、もしくは筋肉質。皮膚は赤みを帯びており、日焼けでは黒くならず真っ赤に炎症します。消化力が3つのドーシャの中で最も強く、食欲旺盛で喉が渇くことが多く冷たいものを好む傾向があります。

明るくて自身に溢れた性格が多く、知性的で分別もあるため正確な行動が見られます。リーダーシップがありますが、ストレスを感じると頭に血が上りやすく、イライラして他人に攻撃的になる側面が見られます。

カファは土や水のエネルギーを意味する言葉。のんびりとしたイメージが特徴です。体型は大柄で少し太り気味、体力があって皮膚は白、しっとりと滑らかな傾向があるとされています。カファタイプに分類される人は食事や行動すべてにおいてスロー。体重が増えやすいと考えられています。

理解に時間がかかるものの、決断にはゆっくり時間をかけ、愛情深く寛容で穏やかな性格が特徴。受容的で平和主義な一方で、ストレスを避けるために無気力や怠惰な一面を見せることもあります。